学生の頃、実家に帰省して東京に戻る最終日、他の家族は全員出かけて僕1人だった。
なので家を出る時の戸締まりは僕がすることになった。
台所で換気扇を回し、タバコに火をつけて一服して、猫に挨拶して家の鍵を締めて荷物をまとめて最寄りの地下鉄へ向かった。
15分くらい歩いた時だった。もうすぐで駅につく時に
「あれ? タバコの火、ちゃんと消したっけ?」
ふと思った、そういえばタバコの火をちゃんと消したかどうか確認せずに家を出たな…
「ちゃんと消したかどうか確認しなかったけど、灰皿に捨てたから問題ないだろう、流石に床にタバコを捨てて家を出るなんて、そんなことしないから大丈夫なはず…」
灰皿に捨てたならタバコが例え燃え上がったとしても、灰皿の中と近くに燃え移るようなものは置いてないはずだから大丈夫なはず…
けど、猫ちんがその後台所に登って灰皿を手で倒して床に落としたら? 床から燃え移るぞ
いや、猫ちんが台所に登ったところなんて見たことがない、台所は上がってはいけない場所って認識しているはず でも確実に台所に登って灰皿を倒すことがないなんて確証がないぞ…
え? 今から家戻ってタバコの火が消えてるかどうか確認する?
戻ったら新幹線ギリギリ間に合わなくない?
と心配性が爆発している時に、スマホに電話がかかってきた。このタイミングで何なんだと思いつつ電話に出ると
「消防局です」
!?!?!?
「はい!?」
「消防局です」
頭が真っ白になった。え?? え?? 消防局!?
「しょ、消防局?」
「はい? 消防局です」
「…え? …なんですか?」
「え? さっき電話かけませんでした?」
ん?
「いえ? かけてないですけど」
「…あ、番号間違えました! すみません」
このタイミングで消防局からの間違い電話は頭が真っ白、冷や汗ダラダラ。
まぁ大丈夫だろうって思って新大阪へ向かった。(案の定なんともなかった。)