自分は母方のおじいちゃんに似たと思う。
僕が生まれる前の話、おじいちゃんが癌になってしばらく放置していたらしい。
症状が悪化して痛くて仕方がなくなってから病院に行くとお医者さんから
「なんでここまで放置した、助かる命も助かりませんよ」と言われたので返す刀で
「誰が命助けてくれ言うた、痛いのをなんとかしろって言ってんねん」
と言うとお医者さんはそれ以上何も言わなかったらしい。
おじいちゃんのそういうところが好きだ。
おじいちゃんが幼いころ、病弱の妹がいたらしい。
ある日、その妹が危篤状態になって急いでかかりつけのお医者さんが駆けつけた。
お医者さんも急いで来たもんだから、治療に必要な注射を忘れてきてしまって、急いで取りに行っている間に、その幼い妹は亡くなったらしい。
おじいちゃんも小さかったから、妹の死をよく理解できなかったと言っていた。
僕が小学生のころ、おじいちゃん家でジャンガリアンハムスターを飼っていた。
2年か3年が経ったときにそのハムスターが死んでしまった。おそらく寿命で天寿を全うしたんだろうけど、ハムスターが死んだ後、おじいちゃんが
「自分の妹が死んだとき、泣かんかったくせに、ハムスター死んだら涙出てきたわ」
と泣いて笑っていた。
そういう冗談をかますところも好きだし、大阪の笑いとは何かまでも教えてもらったような気がする。